中小規模の旅館・ホテル宿泊管理ソフト - 旅館ホテルフロントシステム（PMS）

業務効率化とは？

そもそも業務効率化とは、どのように行えばいいのでしょうか？業務効率化とは、ホテルの宿泊管理などの膨大な業務の中から、「ムリ・ムダ・ムラ」を見つけ出し、業務の改善を行うことです。

ムリとは「社員に負担がかかるようなスケジュールや業務量を課してないか」、ムダとは「時間・人材・コストを必要以上に使っていないか」、ムラとは「時期・人材・業務量などに偏りがないか」などを指しています。

業務効率化には、会議時間の短縮や業務担当の変更などのすぐに改善できることから、アウトソーシングやITツールの導入などの費用と時間がかかるものまで、様々な方法があります。

業務効率化のメリット

業務の効率化を行うことには、主に3つのメリットがあります。

・時間とコストの削減

「ムリ・ムダ・ムラ」を省くことで、業務時間を減らすことだけではなく、人件費や光熱費などのコストも削減することができます。

・従業員のモチベーションアップ

ホテル業務は華やかな見た目とは裏腹に、過酷な労働環境であることで知られています。業務の効率化によって、労働時間の短縮や職場環境の改善を実現することで、従業員のモチベーションが高まります。

残業時間や休日出勤が減ると、ワークライフバランスを実現できるので、従業員の定着率の向上や、優秀な人材の確保へとつなげることができます。政府がすすめる働き方改革にも、業務の効率化が欠かせません。

・新しいビジネスへの注力

業務の効率化によって削減できた、時間やコストなどを使って、新しいビジネスに取り組むことができます。また、人手不足や資金不足などが原因で取り組めなかった業務を、業務の効率化によってスタートさせることで、生産性の向上へとつなげることができます。

ホテル業務の効率化が成功するかどうかは、事前準備によって左右されます。しっかりと事前準備を行ったうえで、業務の効率化に取り組みましょう。

ホテル業務の可視化

まずは、ホテル業務の可視化を行いましょう。宿泊管理などの部門ごとに、日常業務の記録や、従業員それぞれの作業内容を書き出します。

また、「問題のある業務がないか」、「効率の悪い業務はないか」など、現場のヒアリングを行いましょう。業務を詳細な内容まで明らかにすることで、「ムリ・ムダ・ムラ」が明確になり、問題点を特定しやすくなります。

問題点の原因の特定

明確になった業務内容のなかから、問題点を特定します。例えば、「同じ業務を何人もの従業員が重複して行っている」や、「何度も同じ作業が繰り返されている」などが挙げられます。他にも、担当者だけしかできない業務がないかどうかや、必要以上に時間がかかっている業務がないかどうかなども、洗い出しましょう。

スケジュールを立てる

問題点の原因がわかったら、改善できるアイデアを従業員で出し合い、効率化の方法を考えます。改善のアイデアは、ムダな業務を無くす「排除」、業務のルールを定める「標準化」、廃止も標準化もできない「交換」にわけ、取り組む優先順位をつけます。

業務の効率化の方法が決まったら、優先順位をもとにスケジュールを立てます。効率化を急ぐあまり、改善案を一度に実行すると、どれも中途半端になることが多いので、始めやすいものから取り組みましょう。

業務の効率化の実施

スケジュールに従って、業務の効率化を実施します。

業務の効率化の確認

しっかりと練った改善案を実施しても、業務の効率化が成功するとは限りません。トラブルの発生や、効果が感じられない場合は、改善に問題があると考えられます。新しい業務の効率化を実施して上手くいかない場合は、問題点の原因を特定し、さらなる改善案を考えます。

ホテル業務の効率化は、なぜ必要なのでしょうか？業務の効率化が必要な理由は、主に5つあります。

人手不足が解消できる

人手不足が慢性化しているホテル業界においては、業務の効率化が急務となっています。人手不足になると、従業員一人一人の業務量が増加し、労働時間が長くなるなど、職場環境が悪化します。

職場環境の悪化によって、従業員の健康被害が増加したり、ストレスを抱えたりした結果、離職率が高くなってしまうのです。

業務の効率化を図ることは、従業員のモチベーションをアップさせられるとともに、生産性の向上が期待できます。また、従業員の負担を減らし、離職率の低下につなげることもできるでしょう。

人件費が削減できる

ホテル業務の効率化を行うと、人件費も削減することができます。宿泊管理に関する業務をシステム化したり、様々な業務をアウトソーシングしたりすることで、人件費の削減が可能となります。

タスク管理が可能になる

ホテル業務の効率化でITツールなどを導入することによって、様々な業務のタスク管理が可能となります。タスク管理が可能になると、やらなければならない業務に漏れがないかどうかや、従業員一人一人の業務の進捗状況を可視化できるので、業務の優先度を確認したり、うっかりミスを防いだりできます。

サービスの質が向上できる

人手不足の状況や効率の悪い業務内容では、毎日の業務をこなすだけで精一杯となり、サービスの質が低下してしまう恐れがあります。顧客満足度を高めるためには、業務内容を見直すなどの業務効率化を行い、サービスの質の向上へとつなげる必要があります。

エコに貢献できる

ホテル業務の効率化は人件費やコストの削減だけではなく、エコに貢献できることをご存じですか？残業時間をなくすことで光熱費を減らしたり、システム化で書類をなくして資源の無駄を減らしたりするなど、業務の効率化でエコに貢献することができます。

ホテルで業務の効率化に取り組む際には、いくつか注意点があります。効率化に失敗しないためにも、事前に5つの注意点を把握しておきましょう。

システム化すれば効率化できるわけではない

ホテルでは、宿泊管理など多くの業務をシステム化することができますが、ITツールを導入してシステム化することが、効率化ではありません。

新たな業務が発生する

ホテル業務をシステム化した場合、新しい業務が多く発生します。導入時の外部システムとの連携や従業員への指導のほか、運用時のセキュリティ対策や定期的なアップデートなど、今までは必要なかった業務が発生します。

ホテル業務をシステム化する前に、システム化によるメリットとデメリットを把握し、トータルで効率化が実現できるかどうかを、しっかりと検討することが大切です。

業務の流れに変更が生じる

システム化する業務内容によっては、今までの業務とは流れが変わることがあります。そのため、新しい業務の流れを把握する時間が必要となるので、一時的に効率化が低下する場合もあります。従業員が新しい業務の流れを短期間で習得できるように、業務の流れをマニュアル化したり、勉強会を開催したりするなど、事前の準備をしっかりと行うことが欠かせません。

ITリテラシーの向上が必要

システム化によるホテル業務の効率化の実現に必要なのが、ITリテラシーの向上です。効率化のためにシステムを導入したのに、従業員がシステムを使いこなせなければ本末転倒です。ITツールを導入する際には、システム化する業務の担当者の、ITリテラシーの向上が欠かせないので、社内教育の実施なども必要となります。

構想を十分に練る

システム化で重要なことが、導入前にしっかりと構想を練ることです。構想をしっかりと練っていない場合、イメージだけでシステム化することになるので、思ったようなシステムを導入することができません。

また、当初は宿泊管理のシステム化のみを予定していたのに、人事管理のシステムも導入するなど、対象を広げ過ぎた場合も、効率化に失敗する恐れがあるので、注意が必要です。